こんにちは。
最近妙に名前を聞く漫画があります。
聴くところによると内容は「登場人物全員が不幸になる漫画」らしい。
表紙を見ても一目でわかる、
これは鬱漫画だ、と。
僕は鬱漫画とかホラーとか嫌いです。
怖いとかではなく、
なんでわざわざ自分からストレスを摂取するのか意味不明だからです。
恐怖も鬱もストレスの一種ですからね。
なのでこの漫画もスルーするつもりだったのですが、
それからもどんどん名前を聞くようになり「とんでもない名作」だと言うではないですか。
なるほど、もしかしたらギャグマンガかもしれない、
題名もそこはかとなくかわいいし、
全員不幸になるのもギャグマンガなら納得です。
なので読んじゃいました。
というわけで今日紹介するのはこちら
鬱漫画注意!
内容紹介
「タコピーの原罪」は「タイザン5」氏著の漫画、ジャンプ+で連載。
まずは公式あらすじ
地球にハッピーを広めるため降り立ったハッピー星人・タコピー。助けてくれた少女・しずかの笑顔を取り戻すため奔走するが、少女を取り巻く環境は壮絶。無垢なタコピーには想像がつかないものだった。ただ笑って欲しかったタコピーが犯す罪とは…!?
ファンシーすぎる世界ハッピー星からやってきたハッピー聖人の「タコピー」が
死んだ目をした小学生の女の子「しずか」と出会いハッピーにする物語。
出会った当初、しずかは明らかに凄惨ないじめを受けており全身ボロボロの状態。
でもハッピー星にはいじめなんてから理解できないタコピー。
タコピーは笑わないしずかちゃんをどうにか笑わせようと
この世の常識を覆す道具「ハッピー道具」で笑顔にしようと頑張るが、
しずかは決して道具を信じないし受け取ろうとしない。
ある日今まで以上に憔悴したしずかを見たタコピーは
友達と喧嘩したと思い、仲直りの道具「ハッピーリボン」を渡す。
初めて受け取ってもらえたリボンに喜んだタコピーだが、
様子を見に行くとリボンで首を吊ったしずかが……
意味が解らず混乱するタコピーだが、
以前、使用時に時を戻す道具を使ってたこともあり時間を戻すことに成功。
タコピーはしずかを救うため、笑顔にすることを決意。
取りあえず学校についていくことにしたタコピーはそこで真の恐怖と悪意を知る……
こんな話。
どこまでも純粋なタコピー
この話の唯一の清涼剤タコピー。
純粋なタコピーはどんなヒドイ現状も良い風に解釈してしずかちゃんを励ましてくれます。
よくある話として、この手のキャラは善意で地獄に突き落とす不気味な存在として書かれたりするもんですが、
タコピーは違います。
どこまで行っても優しいし純粋で、
いじめの現場を見て助けようとするし、
不仲な人がいたらとりなそうとします。
現状にも段々理解し初めて、どうすれば回避できるのか、
自分には何が出来るのかを考えて考えて、
そして罪を犯してしまいます。
そうしたらしずかちゃんが今までで一番喜んでくれたので
純粋なタコピーはこれで良かったんだと一緒に喜びます。
そしてその罪が後々重くのしかかってくるという、
本当に救いのないストーリー。
頼むからハッピーエンドで終わってくれと願わずにはいられない。
登場人物全員やばいからタコピーだけでも救われてほしい。
とりあえず家庭環境に救いがない
メインキャラの小学生3人、全員もれなく家庭環境終わってます。
一人娘を放って遊び歩く母、
外の女に金を使い帰ってこない父と壊れた母、
成績を上げるため虐待まがいの勉強を強いる母。
そんな親によりどこか壊れた子供たちが織り成す狂気の世界は
もうほんと勘弁してくださいと言いたくなるほど悲惨。
すべての元凶は親にあり、
どうしようもない子供たちがどうしようもなくなっていく。
この辺は風刺が効いてると感じる。
いわゆる親ガチャ。
ぼくはどっちかというと、子ガチャじゃねーの?親ガチャはねーよ自分の努力不足だろ、という認識だが
これはどうみても親ガチャ。
もう根本から救いがないので
ラストはタコピーが世界を滅ぼすオチでも不思議ではない、
いっそ滅ぼしてくれと思わずにはいられない。
一瞬だけ垣間見える幸せ
こう書くとずっとドロドロ鬱々してる漫画だと思われるが実際は幸せそうに遊んでるシーンとかも多くありメリハリが効いています。
特に序盤はタコピーが面白道具で遊ぼうとドタバタしてくれてフフッとさせてくれます。
まあ、ここから落としてくるんですけどね。
絵柄もかわいく、とにかくギャップを使って上げてから落としてくるのがこの漫画。
単行本上下巻で終わりなので、短編なのが救い。
連載長引くとあの手この手で不幸を見せられるのである意味助かる。
この物語は宇宙人のタコピーがこの世界を見てどう思うか、
最後にどんな選択をするかという話だと思うので、
残り少ない話数、ドキドキしながら待ちたいと思います。
キャラクター所感
タコピー 主人公 住人全員がハッピーなハッピー星からきた宇宙人。なんでもありなハッピー道具を使えるが、現状を理解できないので適切な道具を使えない。純粋、善意の固まり、傍観者。
久世しずか 追われたり酷い目にあった宇宙人を助けてタコピーと名付けた小学生の女の子。学校ではいじめられ親は育児放棄、唯一の友は犬のチャッピーだけ。一見大人しい子だがその心は既に……
雲母坂まりな しずかの母に父を取られ家庭が崩壊した腹いせに、しずかに残虐ないじめを課す小学生の女の子。親の問題もありしずかがやり返せばいいという状況でもないため割と詰んでる。
東 直樹 同級生の男の子。医者の親や優秀な兄に比べ劣等感を抱いている。クラス委員としていじめを受けるしずかを助けたいと思うが思うだけ、終わった後に話しかけることしかしない。一見まともだがかなり歪んでいる。
タコピーの原罪
そんなわけで紹介してきました「タコピーの原罪」
あーめっちゃ鬱になる、こんなん好んで見る人たち理解できない、でも一回読んだが最後、オチを知るまで気になってしかたがないのが鬱漫画というもの。
2巻で終わるのが救いだけど、かなり話題になってるので
引き延ばすなよ、絶対やめろよ!振りじゃないぞ!という状態。
考察とか深読みがいくらでもできる作品なのでこれからさらに話題になりそう。
ぼくは漫画に関しては常に
このスタンスなのでいいですが、
なかなか社会に影響を与えそうです。
というわけで今回はこの辺で。
ではまたノシ
追記 最終回を迎えて
※ネタバレ注意
今日最終回を迎えました。
ははぁなーるほど、そういうオチね、
まあハッピーエンド?で良かったじゃない、
犠牲になったタコピーも報われるよ、
う、タコピー…
みたいな感想だった。
最終回前にあまりにも周囲が盛り上がりすぎて
誰もが「俺の納得する最終回」を妄想していただろうから
荒れそうだなーと思ったり。
まるで100ワニのようだ。
僕も最後はハッピー星人が地球滅ぼすエンドだと思ってたので
肩透かし感はあるけど、最後まで鬱展開にならずに
みんなそこそこ救われた感じでホっとしました。
何気に教訓漫画であったり、風刺漫画であったり色々議論が巻き上がっていますが
僕のスタンスは変わらずこれ↓なのでぼんやり推移を見守ろうと思います。
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