こんにちは。
今回も小説家になろうからお気に入りの作品を紹介&レビューします。
今日ご紹介するのはこちら
最強出涸らし皇子の暗躍帝位争い 無能を演じるSSランク皇子は皇位継承戦を影から支配する (角川スニーカー文庫)
陰謀渦巻く帝国の帝位争いを勝ち抜く痛快ストーリー
内容紹介
「最強出涸らし皇子の暗躍帝位争い 無能を演じるSSランク皇子は皇位継承戦を影から支配する」は「タンバ」氏著の暗躍ファンタジー戦記。
ちなみにWeb版とはタイトルが違います。Web版のタイトルは「最強出涸らし皇子の暗躍帝位争い~帝位に興味ないですが、死ぬのは嫌なので弟を皇帝にしようと思います~」になってます。
イラストは「夕薙」氏。
まずは公式あらすじ
超人気WEB小説が書籍化! 最強皇子による縦横無尽の暗躍ファンタジー!
「小説家になろう」にて絶大な人気を誇る作品が満を持して書籍化!
無能で無気力な底辺皇子・アルノルト。気ままに過ごす彼は「優秀な双子の弟に良い所を吸い取られた『出涸らし皇子』」と、帝国中から馬鹿にされていた。しかし、皇子達の帝位争いが激化し危機が迫ったことで、遂に”本気を出す”ことを決意する。
「皇帝になる気は無いが、負けて殺される気もさらさら無いな」
隠していた類まれな才覚による策略や交渉術、そして「禁忌の古代魔法を操る、最強のSS級冒険者」という真の力とその地位――全てを駆使し、正体を隠して暗躍する出涸らし皇子は、彼に尽くす国一番の美姫を従え、帝位争いを影から支配する!
最強皇子による縦横無尽の暗躍ファンタジー、ここに開幕!
Web版とはタイトルが違う上にあらすじではちょろっとしか出てないので分かり難いですが、
力を隠した主人公が本気出して皇帝になる話、ではなく優秀な双子の弟を皇帝にするためにこっそり本気出す話。
作者さんの小説としてはこれが三度目の書籍化、
そのせいかしらないがあまりなろうらしさは感じられず、なんだか普通のラノベのような構成というか完成度、読んでてキャラや構成がしっかりしてるなーと素人ながら感じます。
そんな今作ですが、
主人公は転生とかではなく現地主人公、大陸に覇を唱える大帝国の第七皇子、アルノルト・レークス・アードラー。
優秀な双子の弟レオナルトにすべてを持ってかれた出がらし皇子と呼ばれ揶揄されていました。
しかしそれは世を忍ぶ仮の姿、実態は絶対無敵の最強魔導士SS級冒険者シルバーなのでした。
という最強主人公設定。
主人公アルノルトが迫りくる外敵を余裕でぶっ飛ばし一躍次期皇帝に、と思いきやそんな話では全然なく。
戦場は宮廷内、主人公の最強能力「古代魔法」は先代が魔法を暴発させて壊滅的被害を与えたことから忌み嫌われる力とされ公にできない、
自身は皇帝に興味はなく弟なら素晴らしい皇帝になれるはず、と考え自分の力は絶対に隠し弟に功績を積ませる、とかなり制限されているので退屈せずに読ませることが出来ます。
主軸の帝位争いですが、親兄弟民衆誰もが認める完璧な皇太子である長男がまさかの戦死、皇帝は意気消沈し兄弟は我こそは次期皇帝だと功績を争いだし、有能な家臣の囲い込みや不審死などが発生してきました。
このままでは暗殺されるのも時間の問題、というか上の兄弟どれもヤバすぎて皇帝になったら真っ先に兄弟全員処刑される、という状況になり主人公アルノルトはその圧倒的な魔法の力と卓越した頭脳で弟レオナルトを皇帝にしようと暗躍し始めます。
こういうのって大抵弟が傲慢だったり、コンプレックスが酷かったりして結局主人公が皇帝になったりしますが、本作は(今のところ)そういったところはなく。
弟レオナルトはとても優秀で、謙虚で、兄の優秀さを誰よりも認め、腐ることなく努力して、自らの意志で皇帝を目指す気持ちのいいキャラです。
そんな弟を皇帝にしようとお兄ちゃんとても頑張ります。
宮廷内ではコツコツ弟の名声を高めるために賊の討伐やら貴族の取り込みやらをするしかないですが、
いざ大型モンスターや大災害が起こったらss級冒険者としてワンパンし、ついでに帝位争いを有利に進めていきます。
この二重生活のバランスが僕的には丁度よく、なろう作者はとにかく主人公を冒険者にするの大好きで「また冒険者かよ」とうんざりするところですが、
この作品では冒険者パートは必要最小限に抑えてあり、余分な冒険は一切なし、転移魔法でパッといってパッと解決です。
メインはあくまで帝位争い。
戦争は兵を率いてのガチバトル。
ただボス戦的に規格外のモンスターが現れるので、そんな時に「シルバーさんお願いします」ばりに活躍します。
ここが結構ドロドロしがちな帝位争いにスカッとした爽快感を与えてくれます。
そしてこの帝位争いはただ功績を上げるだけではなさそうで、不審な事件、急に態度の変わった兄弟たち、そもそも長男はほんとにただの戦死なのか、
様々な謎が秘められていてそれが徐々に明かされていくミステリー要素など盛りだくさんで本当に飽きることなく読むことができます。
なろう系は序盤はいいけど……というのが多いですがこの作品は後になるほどおもしろさが増していきます、
というか序盤は結構普通だなーとか若干思ってましたが最近では更新がめちゃくちゃ楽しみになっています、これ結構凄いことですよ。
なんにせよこれからの展開が非常に気になる作品です。
キャラクターについて
アルノルト 主人公 帝国の第七皇子だが無能を装い日々自堕落に遊び歩いている。出がらし皇子と馬鹿にされてるが仮にも皇子に対してそんなことしたら一発で首が飛ぶので決して咎めることはせず敢えて受け入れている。実際はかなり頭が良く、策士で要領がよく、誰よりも民思い。
シルバー SS級冒険者 アルノルトの裏の顔。仮面をかぶり圧倒的な魔法の力で民を守る冒険者の頂点。他のSS級冒険者は大陸に5人しかいない、ただし全員性格おかしい、シルバーは唯一の常識人だと自分では思っているがそうでもない。
レオナルト 双子の弟 アルノルトの弟でもう一人の主人公。絵にかいたようなさわやか皇子様だが冗談も通じる完璧超人。兄を誰よりも尊敬していて誰よりも負けたくないと思っている。かといってドロっとしていないので安心。よくアルノルトと入れ替わるが兄が無自覚に誑し込むので知らない間に女の子に言い寄らせて困ったりする。
フィーネ ヒロインその1 蒼鴎姫と呼ばれる皇帝公認の国一番の美女と称される公爵令嬢。結構序盤にシルバーの正体に気づき、協力者としてレオナルトを皇帝にするのを手伝ってくれる。皇帝のお気に入りということでなにかとその権威が強く、頭もよく外交手腕が高いので活躍の機会は多い。数少ないシルバーの正体を知るものとしてアルノルトにとって特別な存在。
エルナ ヒロインその2 アルノルトの幼馴染にして聖剣を振るう勇者の子孫。この世界ではかつて魔王を倒した勇者が帝国に仕え、勇爵という特別な爵位を与えられて以後、帝国の最強の剣として存在してきた。代々の聖剣を受け継ぎ制限はあるがシルバーに匹敵するツンデレ火力ヒロイン。幼いころからアルノルトに忠誠を誓っている。
セバス 執事 お約束の万能すぎる元暗殺者の執事。アルノルトに絶対の忠誠を誓いシルバーの正体も知っている一番の側近。とにかく万能、セバスの任せておけば大体どうにかなる。
皇帝家 家族 兄弟が何人もいるが母親も何人もいる。現在次期皇帝を目指しているのは4人、第二皇子エリク、第三皇子ゴードン、第二皇女ザンドラ、そして第八皇子レオナルト。皇帝家は代々血で血を洗う帝位争いを続け、勝ち残った者が皇帝を継ぐ伝統があるので帝位争いについては肯定的、風物詩扱い。だが今回の帝位争いは何かおかしい、一体なにが起こっているというのか……
次期皇帝になるにはたくさんの優秀な仲間が必要、というわけでどんどん優秀で魅力的な仲間が加入してきます。
ハーレム要素が少なめなのも〇、優秀なおっさんに忠誠誓ってもらうの最高。
最強出涸らし皇子の暗躍帝位争い
そんなわけで紹介してきました「最強出涸らし皇子の暗躍帝位争い」
現在は4巻まで発売中
最新の4巻は8月1日に発売。
最強出涸らし皇子の暗躍帝位争い4 無能を演じるSSランク皇子は皇位継承戦を影から支配する (角川スニーカー文庫)
コミカライズ版もあります。
最強出涸らし皇子の暗躍帝位争い (1) (角川コミックス・エース)
3巻の3ヶ月後に4巻って刊行ペースはやいなぁ。
ストックはまだまだありますが、このペースなら書籍専でも大丈夫そう。
追加エピソードや修正が結構あるので出来れば書籍から入ってもらいたいですね。
話が進むにつれてどんどん面白くなりますよ、おすすめです。
というわけで今回はこのへんで。
ではまたノシ
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