【おすすめなろう小説】精霊の友として【レビュー】

なろう系

こんにちは。

今回も小説家になろうで連載中ので個人的にお気に入りの小説を紹介&レビューします。

結構前から読んでいてこの度めでたく書籍化したので取り上げます。

ただ結構前故に序盤の記憶が怪しいところがあるのはご容赦を。

というわけで今日ご紹介するのはこちら


精霊の友として (Kラノベブックス)

主人公過労死まったなし

内容紹介

精霊の友として」は「北杜」氏著の成り上がり戦記&冒険小説。

イラストは「焼まゆる」としてVtuberとしても活動中の「yaki*mayu」氏。

まずは公式あらすじ

貴族の子として生まれた少年・トルクは、
側室であった母親ともども、屋敷から追放される。
父親に殴られた際の衝撃で、彼の前世は普通のサラリーマンで、
この世界に転生してきたという記憶を取り戻す。
母の故郷である貧しい村にたどり着いたトルクたちだったが、
村人たちは母子に冷淡に接し、母は病に臥せってしまう。
前世での記憶と、母から教わった魔法を駆使して、
生活環境を整え、村人たちとの距離を縮めようとがんばるトルク。
そんな中、トルクは村に棲まう“精霊”と出会う――。
ほんわか成り上がりファンタジー、開幕です。

ほんわか?ほんわかかぁ……うーん……まあ精霊はほんわかしてるかもだけど、うん。

転生主人公が貴族から転落、村人から成り上がっていく話です。

これだけ聞くとよくあるなろうですが、この世界、めちゃくちゃハードモードです。

父親の貴族はドクズ中のドクズ、側室の元農民の母親は主人公ともども迫害され追い出されます、しかも妹は政略結婚に使えるからそのまま囚われの身。

逃げ出してきた実家の農村では片隅に住むことは許されたが、貴族に見つかると滅ぼされるからと無視され、子供たちにはいじめられます。

やがて努力し魔法が使えるようになると村長に貴族に売られ下人として召し上げられ、そこでも重労働に先輩のいじめにあったり族に襲われたり戦争に行ったり……と行く先々でとんでもなくハードな生活を繰り広げるわけです。

が、なぜかそこまで暗くありません。

この小説は基本主人公のモノローグがつらつらと流れサクサクと進んで行くタイプなのですが、主人公の脳内がめっちゃポジティブでマイペースで鋼のメンタルと持っているのが一つ。

たまに出てくるメルヘンな精霊が強制的にギャグ空間に引き込んでくるのがもう一つ。

これらがいい感じに暗さを和らげてくれます。

それとこの主人公、有能なのであらゆる部署から仕事を頼まれますが断れる身分でもないためすべてを引き受け朝から晩まで働き詰めます、地位が上がっても、立場が変わっても何かと仕事を頼まれずっと働き続けます。

もう息する間もなく働くワーカーホリック主人公。

主人公に休まる日は来るのだろうか。

精霊

タイトルにもなっている精霊ですが、最初にちょろっと出てきて主人公に魔法を教えて以来はたま―に出てくる程度です。

この世界の精霊はとんでもなく強力な存在で見た目こそファンシーですが一匹で簡単に町が滅ぼせるほど、

性格も子供っぽくいたずら好き、理不尽なお願いをしてきて失敗すると人生終了というヨーロッパのガチもんの妖精みたいなやつらです。

しかし現在は誰にも知覚できず一部の王侯貴族しにしか伝えられない存在でした。

ところが主人公は殴られて吹っ飛んだ衝撃で妖精と会話できるようになります。

そんな人間は珍しいのでお気に入り認定され時々精霊が絡んでくるようになります。

精霊が出てくると普段の貴族相手の丁寧口調も崩れ、素の口調になり、理不尽な精霊に対しツッコミも遠慮なくすることになり、今までの重ぐるしい下っ端生活から一転してメルヘンなギャグ空間になります。

このギャップも面白いですが、精霊とはいったいなんなのか、という謎もあり、とても興味がひかれます。

途中で方向性が丸っと変わる

途中までは成り上がりものとして順調に地位を上げ、なんだかヒロインっぽい存在も出始め、一体だれを選ぶのか、それともハーレムなのか?と思いきや、ある事件から展開が急転換します。

イメージでいうとドラクエ5で主人公が奴隷落ちしたら魔物使いとして冒険に出てたみたいな。

まあ途中の山場なんで原因とかは伏せますが、主人公もやさぐれて口調がなろう主人公っぽくなり、精霊の真実や、魔法の神髄などに触れパワーアップ、各地の精霊と出会う旅に出発だ、みたいな、

今までの成り上がりファンタジーは長いプロローグだったみたいな。

うおおおぉーこれは凄い!とも思いましたが、成り上がりファンタジー大好きでこの作品もそれ目当てで読んでた自分としてはちょっとうーんとうねらずを得ないですが、まあそれはそれ、

詰まらなかったら即切りでしたがこの急転換後もしっかり面白く楽しませてくれます。

現在はまだこの便宜上第2幕の途中ですがこの先どうなるのか、とにかく先が気になる作品です、

が、この作品進みが遅いというか、目標があるのにその過程で事件が頻繁に起こってなかなか進まないのでやきもきする展開が多いというか、そこが少し困る、いや脇道も面白いのだけども。

あと不満点としては、頻繁に他者視点の閑話が入るのですが、その大部分が主人公視点と被ってるのがマイナスです。

感覚としては他者視点の解説が入る総集編。

シーンをまるまる他者視点で最初から再生するので、いいから先進めてよってなるんですよね……

そこは別シーンの途中で(あの時はああ思ったものだ)とかちょっと思い出す形式にした方が、と素人ながら思ってしまうほど閑話が入るとガクッとしてしまいます。

まあそこは書籍版の改訂に期待するとして、

お話自体は面白いのでおすすめです。

キャラクター所感

トルク 主人公 前世サラリーマンの転生者。割と不幸な人生を送ってるが持ち前のポジティブさで元気に生きていく。魔法は使えるけどこの世界の中じゃ中堅どころでそれほどチートでもないので知識チートと料理チートで成り上がる。精霊の声が聞こえるが8割がたどうでもいいことなのであんまり役に立っていない、と思ってた時代がありました。

リリア 母親 クズ伯爵に人質同然にさらわれて側室にさせられ捨てられて病気がちになって死にそうになったがトルクの魔法で元気になった母親。昔は大魔法使いとしてブイブイいわしていた、ファンも多いらしい。

マリー 幼なじみ 一つ下の従兄弟、農民。村八分にされていたトルクの唯一の味方の叔父さんの娘。トルクに魔法を教わっていたのでかなり優秀になっている。

レオナルド 上司 最初の上司、男爵家に仕える文官。忙しい自分の部下が欲しくてトルクを拾ったのに上司に取られた苦労人。

クレイン 上司 次の上司 男爵。いい人。

エイルド 男爵子息 教育係兼友達のクレインの子。剣術バカで脳筋だけどトルクと付き合ってだんだん次期当主として目覚めていく。

ポアラ 男爵令嬢 教育係兼友達のクレインの子。頭が良い素直クールな女の子、ダメな兄に変わって当主になろうとする。トルクが気になる様子。

精霊 上位存在 光の精霊やツボの精霊など色々いる、その力は絶大でまさに何でもあり、死者の蘇生も最近なら出来る。性格は無邪気でいたずら好きで時に残酷。理不尽なやつら。見た目はゆるキャラ。

精霊の友として

そんなわけで紹介してきました「精霊の友として

つい先日(20.12.2)1巻が発売されました。


精霊の友として (Kラノベブックス)

そしてその一ヶ月後(21.1.4)にいきなり2巻が発売されます。


精霊の友として2

これには驚き……たしかに書籍化まで長かったしストックはありますがここまで間髪入れないとは。

まあ読む方としてはうれしいですけどね。

というわけで今回はこの辺で。

ではまたノシ

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