【なろうおすすめ小説】戦国小町苦労譚【レビュー】

なろう系

こんにちは。

今回おすすめするのは戦国タイムスリップものです。

戦国タイムスリップ、戦国逆行転生、いっぱいあるんですよね、ほんとに。

それゆえにいろいろと捻ったスタートパターンがいくつも存在します、

信長の部下、親族、農民、地方のマイナー武家、商人、etc.……

スタートは違えどやってることはだいたい同じで、食料事情の改善や商業の発展、銃を使って無双、とか、でその上流れも歴史もの故に似通ってくる、登場人物も性格は違うが同じ……

まあどの作品も工夫を凝らしてあってつまらないという事はなくどれも面白いのですが、

だからこそ最初の一冊は慎重に選びたい。

その最初の作品に登場人物の性格とか基準にされちゃいますからね、なんなら旅行先で武将ゆかりの地とかいった時とか、思い浮かぶのは最初に印象に残った作品です。

と前置きが長くなりましたが、そんな重要な一冊目に僕が押したいのがこちらの作品


戦国小町苦労譚 1 邂逅の時 (アース・スターノベル)

ハイスペックJK農家が知識チートで無双する話

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内容紹介

戦国小町苦労譚」は「夾竹桃」氏著の戦国タイムトリップファンタジー。

イラストは「平沢下戸」氏。

まずは公式あらすじ

農業高校生(♀)が戦国時代にタイムスリップ!?

「山道を抜けたらそこは戦国時代でした」ばりに唐突に現れたのは、憧れの織田信長。主人公・静子はこの時代で生き抜くために「農業で才を示す」約束を信長にしてしまう。寂れた農村を与えられ、来る日も来る日も農業に明け暮れる静子だったが、やがて本人も気づかないうちに、信長にとってなくてはならない存在=重臣にまで上り詰めてしまってーー

こんなライトノベル今までになかった! 知人に言いたくなる「豆知識」ふんだん系新感覚時代小説が登場。

はい、とりあえずありがちな

よくわからないけど何故か戦国時代に飛ばされてさまよっていたら信長に拾われたパターン」です。

漫画とかはこのパターン多いですが、なろうでは戦国時代に転生して信長に拾われる、もしくは敵対するパターンが多いですね、なのでなろうでは少数派といえるかも?

信長さんはご存じ新しいもの、珍しいもの大好きなので、この見るからに珍妙な主人公を試してみることにします。

そうして現代人の知識チートを駆使して才能を示し、やがて成り上がり、織田家の中で重大な地位を占めていくというお話。

うーんこれだけ見るとまさにTHE王道、ありがちと言えますが、要は中身です。

というわけでもっと深堀りしていきましょう。

まず主人公「綾小路静子」は農業高校に通う女の子、つまり花の女子高生。

歴史が好きで、もし自分が過去にいったら何をしようかと妄想し、その妄想をノートに書いていました。

そしてミリタリーマニアの姉をもち、軍事の話をよく聞かされ、スマホにも農学書の他にミリタリー関連の書籍が入っており、

タイムスリップするその日は妄想ノートと共に、畑仕事の帰りだったので各種品種改良された種をもっていました。

そんな静子が過去に飛ばされ、目の前には散々妄想してた信長、静子はテンパって「農業ならできます!」といいます。

前々から食料事情の改善を考えていた信長は、静子の綾小路という苗字も引っ掛かり、不作でボロボロの村の村長にしてやるから成果をだせ、と取り立てます。

そこからはもう持ち込んだ種や知識チートを存分に使い村を発展させて、食料も今までとは考えられないほどの豊作を連発。

静子は得意の農業でらくらくと結果を出し、病気の治療も出来て道具の開発も出来る。

質の悪い金属から金を取り出すし、兵器開発もやれんことはない、政治感覚も良く戦術もまあ明るい、そして料理も上手い。

その恐ろしいほどの知識量でどんどん尾張を発展させていきます。

このあまりの内政チート具合が気持ちいい。

ちなみにこの静子、現代では綾小路家の跡取りとして特別な教育を受けています。

農業に始まり、経済などもかなり詰め込まれていて、特に人材育成や、部下を使う方法などなど幅広く学んでいます。あ、この設定かなり後の方の話なので多分後付けです。

それくらい数々の知識を保有する静子に説得力を持たせたかったのでしょう。

そんなスーパー女子高生の静子が戦争ではなく農業、経済で争いを減らしていき、民衆たちに慕われ、理解のある上司(信長)に大事にされ、有名な武将の部下もできて、と楽しく戦国時代で暮らしていきます。

戦国モノというと戦で名を立てるものが定番ですが、この作品は内政重視で話が進み、とりあえず静子がどんどん開発していって、じゃあ上様これあげます、適当に上手く使ってください。という風に織田家は便利道具と先進的な戦術で天下を統一していきます。

ちなみに戦闘は静子が畑を耕している間に男どもが勝手に終わらせます、たまに将として戦いますが、事前準備をこなして基本部下任せ。

タイムスリップモノとしては定番ですが、有名な武将を無名のうちから囲ったり、倒したりするようなことはあまりなく、仲間は織田家を中心としてあまり他家の仲間はいません。(保護者信長のガードが堅いため他家の接触は最低限)

そして本作の特徴といえるのが、細かすぎる雑学知識の蘊蓄(うんちく)。

新しい試みや植物が出てくるとその解説をするのですが、それがまあ細かい。

Wikipediaかよってくらい細かく解説するのでかなり文字数を持っていく、好きな人はいいのだろうけど、特に序盤は頻繁に入るので目が滑る。

あらすじにあった新感覚というのはこのことで、読んでると無駄に知識が増えます。

ただ別に伏線になってるわけでもないので別に興味のない人は別に斜め読みしても問題ない。

最近では上手くなってきて、急に解説がズラッと並ぶのではなく、自然な感じで挿入されるので読み飛ばされることは減ったと思いますが、最初の方は結構辛いので、この点は評価が割れるところです。

ちなみに女主人公ではありがちな恋愛要素は一切ない。

信長も相手探しをしてくれるけど地位が上がりすぎて下手な相手にはやれん、となりずっと独身

女主人公の話には珍しく時間が容赦なく過ぎるので読者としても「ええんか?」となるがこの頃には読者も信長と同じ保護者の心境になっているので「その辺の野郎にはやれん!」となっているので問題なし。

「戦国小町苦労譚」は初心者向け?

こんな戦国モノにしては戦闘が少ない本作ですが、なぜこれを最初に読むのをおすすめしたかというと、文体が読みやすいのはもちろんですが、

  • とりあえず信長陣営の主君信長スタート
  • あまり初っぱなから歴史改変しない
  • 戦闘より生活に重きをおいている

このあたりが理由といえます。

まずやっぱり最初は信長陣営から始めた方が把握しやすいです。地方武士スタートもの多いですが、地名も人名も馴染みなさすぎなので今一ピンとこない上に日本の事なのであまり説明しない場合が多く、上級者向けといえます。

そして静子は女なので、時代的にもでトップに立つ気はまったくないので、急に信長が死んで代わりに主人公が立つ、みたいな展開にならないので、最後まで信長の人生が読めます。

次に静子はチート道具量産しまくってますが、基本生活が豊かになるものを前提に、兵器は最低限、戦で犠牲を少なくする程度に抑えてます。

負け戦があっても被害を少なく負けるようにして歴史の改変は最低限にしています。

理由は変える時は一発で大きく変えるためにタイミングを計っているから。

歴史を変えると先読みが出来なくなりますので、ここぞという時に最大の成果を狙いたいですよね。

そのため当分は史実通りに進むので日本史あまり詳しくない人が流れを把握するのに便利です。

そして、生活を書いてるということ。

良い生活を書くためにはその前の悪い生活を書く必要があるので、時代考証などがしっかりと調べられ、当時の生活の様子がよくわかります。

名前の呼び方なんてまさにその通りで「信長様」なんて呼ぶとぶった切られます(役職名で呼ぶのが普通)。

この作品でこの時代の常識を身に付けてから他の小説を読みましょう、他はここまで解説しないし、時代考証が適当な作品も多いです。

まあもっともこの作品も完璧なわけではなく、時々戦国警察が現れあら捜しをしてきます、がそれでも戦国時代の生活にここまで浸れるものはなかなかないでしょう。

そして戦が少ないという事は、有名な武士と日常会話が多いということです。

静子は「織田家相談役」という役職についていろいろと相談を受けます。

秀吉だったり光秀だったりが相談にきて、ご飯を一緒に食べたりして会話します。

なので戦闘の多い作品よりキャラクターが日常的な部分が描写されており、一人一人に愛着がわきます。

まあ逆にそのイメージが足をひっぱり、他作品で全然違うキャラにされると違和感凄いですが、それでも好きになるキャラが多ければ多いほど、歴史タイムスリップものは楽しめます。

そんなわけで戦国初心者は是非この作品を手に取ってみて下さい。

ちなみに僕は世界史専攻で日本史さっぱり(信長のシェフは読んでる)でしたが、この作品から入り、今では何作か戦国ものを楽しんでいます。

キャラクターについて

静子 主人公 知識が豊富すぎるスーパー女子高生。農業が大好きで常に畑を耕していたい、でも信長からの依頼が大量にあってそんな暇はない、ああ畑耕したい。といいつつ自分から仕事を抱え込み、休みなく働いてるワーカーホリック。最初はオドオドしていたが、地位が上がって部下が増えたら女主人らしくなってカリスマが凄い。

信長 保護者その1 説明不要の人。多くの作品がそうであるようにツンデレ、そして猫好き。非常に柔軟な思考をしていて静子のことも上手く操縦出来ている。身内に甘い、静子のことも実の娘のように大事にしているが、自分のことを理解してくれるのは静子だけなので、どちらかというと同士といった関係。働きすぎの静子を心配している。

ヴィットマン 狼 静子の最初の仲間にして最高の相棒。最初の村の山で拾った外来種の狼。護衛としても頼もしいがメインはモフられ要員、気づけばモフられてる。これ以降静子は外来種の未来では絶滅した動物などを輸入して、静子邸は実質植物園+動物園と化す。

奇妙丸くん 次期当主 信長の嫡男信忠。幼いころから静子の家に入り浸り、いろいろと教育を受けた将来が楽しみな織田家の跡取り。恋愛要員か?と思いきやそうでもなく、ちゃんと史実通りの思い人はいる様子。静子のことは姉のように慕って、いつか認めてもらいたいと思い頑張っている。

彩ちゃん 部下その1  静子のお世話と監視を信長に任された小間使いの少女。最初はスパイだったが今では一番の忠臣。初めは無学だったがいろいろ教育を受けすっかり有能になった。クールメイド。

才蔵さん 部下その2 可児才蔵、静子の護衛として信長が派遣してくれた。静子のそばに常に付き従う、めちゃくちゃ強い。真面目で忠誠心が高い、とても高い。

慶次さん 部下その3 前田慶次、同じく静子の護衛。めちゃくちゃ強い。いい加減な性格だが史実を知る静子には「前田慶次ってそんな性格だよね」と流している。普段は遊び呆けているが護衛は真面目にやってるし後輩の面倒見もいい頼れる兄貴。

勝蔵くん 部下その4 後の森長可。とんでもない悪ガキだったが教育も兼ねて静子の護衛にされた。その後地獄の矯正を受け、文武両道の武士に男になった。それでも乱暴者だが静子には頭が上がらない。

足満おじさん 保護者その2 現代で静子に救われ居候してた記憶喪失の謎のおじさん。静子とは別の場所だが一緒にタイムスリップしており、なにやら原因はこの人にありそうな……機械や化学、心理学等について勉強していたため静子の苦手な戦争事をカバーしてくれるある意味静子以上にチ-トな存在。命の恩人の静子を守ることに全力で信長とあと一人でよく保護者会議をしている。

他にも有名どころがたくさん出てきますが、基本は彼ら静子邸の仲間たちが中心。

戦国小町苦労譚

そんなわけで紹介してきました「戦国小町苦労譚

現在は12巻まで好評発売中。


戦国小町苦労譚

追いつくのは大変ですが一巻読むと止まらなくなります。

Web版と比べると結構エピソードの追加や修正があったりして書籍版を買っても損はないです。

最新刊


戦国小町苦労譚 十二、 哀惜の刻 (アース・スターノベル)

既読者は表紙で時代の流れがわかって感動できる。

漫画版も好調


戦国小町苦労譚 【コミック版】

漫画版は本編で長々と説明しているところや、地味な研究系のところを端折っているのでテンポが凄い速い。

でも読みやすいのでこちらから入るのも全然あり。

ただ絵柄が独特というか、売れ筋の絵ではないので初見の人はスルーしがちですけど、読んでみると気にならなくなりますよ、静子かわいい。

というわけで今回はこの辺で。

ではまたノシ

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