【カクヨムおすすめ小説】竜魔神姫ヴァルアリスの敗北【レビュー】

なろう系

こんにちは。

今回はカクヨムで最近発見した小説を紹介。

今日ご紹介するのはこちら


竜魔神姫ヴァルアリスの敗北 ~魔界最強の姫が人類のグルメに負けるはずがない~

最強の魔王の娘がひたすら一人飯をする飯テロ作品

内容紹介

竜魔神姫ヴァルアリスの敗北」は「仁木 克人」氏著のグルメコメディ

イラストは「茨乃」氏。

まずは公式あらすじ

「人類など、塵のようなもの。私が滅ぼしてくれる」

魔界最強の姫ヴァルアリスは、異界を滅ぼさなければならないという王族に課せられた試練のため、人類を滅ぼすべく人界に降り立った。
試練には、その世界が存在したことの証明となるその地の文化物を、滅ぼす前に保存しなければならないという守るべき厳格なルールがあった。
そこで人類の料理を文化物として保存しようと考えるヴァルアリス。

しかし、そんなヴァルアリスを待ち構えていたのは、カレー、ラーメン、寿司、パンケーキなどのあまりにも美味な人類の料理! 
そして、お客様のためとんでもないこだわりと熱量で調理する常人を大きく逸脱した最強の料理人たちだった!
はたして、ヴァルアリスは食の誘惑に打ち勝ち、料理を食べきらずに保存して、人類を根絶せしめる事ができるのか!?

「くっ、何故こんなにも美味しいのだぁぁぁぁ!」

頑張れ、ヴァルアリス! 世界の命運を賭けた最高のグルメコメディバトル開幕!

いや、久々に笑いました。

分類としてはタイトルや表紙からは想像できないがグルメノベルです。

魔界で最強を誇る魔王の娘が魔王になるための試練として人間界に降り立ち、ひたすら孤独のグルメをするお話。

よくある異世界転生絵者が中世ファンタジー世界で料理無双するのとは違い、

異世界人が現代日本に直接行って料理無双される珍しいパターン。

こういうのってわりと、未開な異世界人が現代科学スゲー、車スゲー、箱の中に人が!とか「日本文化賛歌」となりがちですが、そういった無駄な要素はなく、食事に全力です。

概要はあらすじ通りで人間界の料理にひたすら打ちのめされるわけですが、

その描写が面白すぎる。

まず最初に人間界に降り、なんとなく買った露店のメンチカツに完全敗北し、

それからはメンチカツを人類の最終兵器認定し、事前に訪れる店を徹底リサーチ、作法やメニューを完璧に覚え、服装も毎回その店や町に合わせた格好でめっちゃ気合入れて孤独な「闘い」に挑みます。

基本的に主人公ヴァルアリスの一人飯なのでセリフは「ああ」とか、「かまわん」とか(なるほど、そういうのもあるのか)とか程度で、食レポとかはあまりせずに、ト書き部分が三人称視点で料理に関することや、エピソードを熱く語る形式。

このエピソードがいちいち面白く、人類の敵ヴァルアリスに挑む勇者(店主やバイト)たちの料理にかける情熱が語られます、ちなみに会話は滅多にしない。

かといってヴァルアリスと店主の熱いバトルが長々と繰り広げられるわけではなく、静かに飯食って、勝手に打ちのめされ、ご馳走様と出ていくだけなのにやけに面白い。

食べるのは珍しいものや地域限定といったものではなく、ラーメンやカレー、パンケーキなど馴染みの深いもので、深く共感できるし、驚いた反応にはあるある、と頷いてしまいます。

こんな孤独のグルメ+外国人に日本の食文化紹介+女の子主人公(毎回衣装が変わる)と面白い要素しかない本作ですが、さらに究極に面白くするエッセンスがあります。

それがルビ芸です。

シリアス系ラノベではかっこいい漢字にかっこいいルビを付けるのは最早常識ですが、この作品の場合、ルビが完全にギャグ

例えば主人公の地位は「竜魔神姫」ですが「トンデモナイゼ」と読みます、なので「とんでもないぜヴァルアリスの敗北」となります。

これだけだと「ん?」ですが他のクラスを見ると

魔星将(エライヒト)

天魔星将(ドエライヒト)

死告魔星将(ダイブエライヒト)

神格天魔星将(ゴッツエライヒト)

となっており、序盤の真面目な世界観説明の中にしれっとこれらが混ざってくるのでつい吹いてしまします。

凶悪なモンスターも「暴蝕邪竜(ヌメットル)」

強力な魔法も攻撃魔法「無尽衝波(ナンラカノチカラ)」浮遊魔法「覇空式風精飛身(ウイトルナ・ジャッカンナ)」

と全て関西弁、これを大真面目にブッコんできます。

割りばしが綺麗に割れないからと急に究極切断魔法「断式境界斬離閃(アンタトハ・ヤットレンワ)」を発動したりするので、その不意打ちに何度も腹筋やられました。

このセンスが天才的で笑った後に関心し、なんでやねんとツッコんでしまいます。

もう好きすぎて全部書きだしたい勢いです。

先の3要素にこのルビ芸が加わったらもう負けなしです、名作決定

あ、でもヴァルアリスは毎回「フハハ、勝ったな!人類など恐れるに足りず!」といって意気揚々と出かけ敗北しております。

フラグ建てはいけませんね。

キャラクターについて

ヴァルアリス 主人公 竜魔神姫(トンデモナイゼ)と称される魔界の姫。魔王はほぼ隠居なので実質魔界の統治者にして最強の魔族。絶大な力を持ち頭脳も明晰、分析力も判断力も桁外れのチートキャラ。魔王になるための試練で人類を滅ぼすために人間界にやってきた、最早人類に希望はなく、ただ滅亡の時を待つばかりに思われた。だが忘れてはならない。この物語の題名は、竜魔神姫ヴァルアリスの敗北である。
そう、これは魔界の頂点にして至宝、戯れに竜をも屠る、絶対無敵、最強不敗の竜魔神姫ヴァルアリスが……敗北する物語なのである。

インフェリス ライバル 剣魔神姫(ソーデモナイゼ)という名前から全てが察せられるライバルキャラ、どうやら血縁らしい。魔王を目指し度々ヴァルアリスに勝負を挑み一緒に食事をする仲。人間界に馴染みまくり唐突にストリートラップバトルを始めたり、大阪でトラ柄のジャンパーを着たりする。

ウェリゴース 忠実な部下 神格天魔星将(ゴッツエライヒト)でヴァルアリスの忠臣。額にある第三の目「万里探知眼(ダイタイミエルメ)」で全ての事象を見通すがヴァルアリスが人間界で使命を果たさず食べ歩いていることは見通せない。

サチュラ 忠実な部下 同じく神格天魔星将(ゴッツエライヒト)でヴァルアリスのことが好きすぎるロリ。書籍版で追加されたキャラ(Web版でも後の方で登場)。ある日ヴァルアリスが人間界の料理に負けまくってることを知ってしまうが……

本作は魔界パート(導入、ヴァルアリスが無双する話)→人間界(釣りしたり観光したり)→飯(人類の生存をかけた真剣勝負)。という構成になっていて、魔界ではキャラがたくさん出てくるが、基本はヴァルアリスが一人でご飯を食べる話です。

たまーにインフェリスとサチュラがご飯に参加する感じです。

竜魔神姫ヴァルアリスの敗北 ~魔界最強の姫が人類のグルメに負けるはずがない~

というわけで紹介してきました「竜魔神姫ヴァルアリスの敗北」ですが

現在は2巻まで大好評発売中。


[まとめ買い] 竜魔神姫ヴァルアリスの敗北

一巻にはWeb版の一章と大幅追加エピソード、二巻には二章と大幅追加エピソードが乗っています。Web版は現在三章の途中なのでもう追いついちゃってます。

カクヨムは書籍化やらなんやらが早いですね。

ちなみに一巻は東京中心、二巻以降は地方に足をのばします。

そしてコミカライズ版が7月27日に出ました。


竜魔神姫ヴァルアリスの敗北 ~魔界最強の姫が人類のグルメに負けるはずがない~(1) (電撃コミックスNEXT)

このコミカライズ版、結構良い出来です。

というか僕は最初このコミカライズの広告から入り、Web漫画版が面白かったので読み終わって速攻カクヨム版→書籍版へとベルトコンベアで運ばれていきました。

文字だけでもいいですが、やっぱりグルメモノは見た目も大事よね、と思わされましたね、あと毎回違ったファッションをするこだわりのヴァルアリス様が見れます。興味があったら漫画版見てみて下さい。

竜魔神姫ヴァルアリスの敗北 ~魔界最強の姫が人類のグルメに負けるはずがない~
「くっ、何故こんなにも美味しいのだぁぁぁぁ!」 魔界最強の姫ヴァルアリスは、人類を滅ぼすべく東京に降り立った。 しかし、彼女を待ち構えていたのは、 カレー、ラーメン、パンケーキなどのあまりに美味な人類の料理で――!? 果たしてヴァルアリスは...

これアニメ化したら流行りそうだなぁ、天下の角川さんだしなんとかごり押しして頂きたいなと思う次第ですよ。

そんなこんなで今回はこのへんで。

ではまたノシ

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