【カクヨムおすすめ小説】西野 ~学内カースト最下位にして異能世界最強の少年~【レビュー】

なろう系

こんにちは。

今回はなろうとは別の小説投稿サイト、カクヨムからおすすめの小説を紹介します。

ただこんなのおすすめしていいんだろうか、というくらいの問題作。。。

まあいっか、おもしろいから

という事で、今日ご紹介するのはこちら


西野 ~学内カースト最下位にして異能世界最強の少年~ (MF文庫J)

これやべぇよ……

内容紹介

西野 ~学内カースト最下位にして異能世界最強の少年~」は「ぶんころり」氏著の学園コメディ(と異能力モノ)

イラストは「またのんき▼」氏

まずは公式あらすじ

学園カーストの中間層、冴えない顔の高校生・西野五郷は、界隈随一の異能力者だ。ダンディズムを愛する彼の毎日は、異能力を使ったお仕事一筋。常日頃から孤独な生き様を良しとしてきた。シニカルなオレ格好いいと信じてきた。だが、その日々も永遠ではない。高校二年の秋、童貞は文化祭を通じて青春の尊さに気付く。異性交遊の大切さを知る。これはそんな西野少年が、過去の淡白な人生から心機一転、日々の生活態度を改めると共に、素敵な彼女を作って高校生活を謳歌する為、あの手この手を用いて学園カーストを駆け上がらんと奮闘するも、一向に登れそうにない、なんちゃってハードボイルド物語(異能バトル付き)

この作品を語る前にまずは前作の話をせねばなるまい。

同作者の前作は「田中~年齢イコール彼女いない歴の魔法使い~」、

Web版では「田中のアトリエ」の名で知られ、なろうで連載していました。


田中~年齢イコール彼女いない歴の魔法使い~1 (GCノベルズ)

この作品、とにかくヒドイ、いや作品としてはめっちゃ面白い、しかし表現がヒドイ。

下ネタのオンパレードでこれ大丈夫なの?ってレベルで猥褻な単語をぶっこんでくる、しかしト書き部分だけで実際はお色気要素は皆無、いやちょっとある、という挑戦的すぎる内容で知る人ぞ知る名作、いや迷作となって伝説となっていました。

そんな作者がいつのまにやらカクヨムに移動し、新たな連載として発表したのがこの「西野」。

移行したのはいろいろ察してしまいますが、まあとにかくそんな作者の作品がまともなはずがなく、なろうの規制から外れたら一体どんな作品になってしますのか……と戦々恐々と読み始めたのですが、

おや、以外とまともだ。

たしかにストレートすぎる下ネタぶっこんでくる所はあるものの、頻度は前作より激減している。

前作は単語全てがエロに直結する拗らせたおっさんのような表現だったが、あまりにも下ネタ頻発すぎて少々辟易ぎみだった、まあ主人公おっさんだったからあれはあれで正しいけど。

今作は中学時代は中二病で、女など不要、シニカルな自分かっこいい、と思ってた男が高校生になりそっち方面に興味が出え来たけどがっつくのはカッコ悪いよね、程度の表現になっている。

いやなに言ってるのかよくわかんないけど、主人公の年齢で当たり前に思ってることをオブラートに包まずに表現するとまあこうなるよね、という程度に上手く抑えられており、そこに中二要素やクラスカーストのあるあるなどが加わり、

等身大の高校生感がよく表現されていてとても読みやすくなっている、

つまり洗練されている。

そんな「西野」ですが

舞台は現代日本。

主人公の西野は裏世界の最強エージェント。

自分でもよくわからない超能力を駆使し、世界中で活躍し、悪い奴らを躊躇なく殺し、銃弾の飛び交う戦場を駆け回り、時にはハニートラップに引っ掛かりそうになったりと、高校生ながらハードボイルドな世界に生きていました。

かわす言葉も同業者に舐められないようにハードボイルド、態度は常にシニカル、仕事の話を行きつけのバーで酒を飲みながら聞く、「報酬はいつも通り処理してくれ」なんていう凄腕のエージェント。

ただし彼はフツメンだった。

圧倒的アジアンの平均やや下のモテなさそうなフツメン。

ラノベでよくある自称フツメンのハーレム野郎とは異なり、マジで正真正銘のフツメン。

このフツメンというのがキモで、西野が何しようとト書きでフツメンを強調し徹底的に下げてきます。

セリフだけ見ると普通にシリアスだけど、ト書きでいちいち現実を突きつけてくるので良質なギャグ小説として非常に笑わせてきます。

西野は今までハードボイルドの世界に生きてきて大量の貯金もあるし将来はニートでも余裕で生きていける、と高校3年生まで考えていました。

しかしふとしたことからクラスカースト上位のリア充たちと関わってしまい、自分の将来を考えてしまいました、青春時代に無為に過ごし、このまま一生一人で生きて死ぬのか、と。

そんな将来は嫌だということで積極的に彼女なんかを作り、リア充たちと遊んだりして素敵な青春を送るぞ、と急にやる気を出す最強エージェント。

しかし彼はフツメンであり、いままで人と関わらないようにモブを演じていたし、成績も普通を維持していた、故にクラスカーストは中間。

急にやる気を出したはいいがいきなりなので気持ち悪がれ、その無駄な積極性や、今までと住む世界が違い過ぎることによる常識違いや暗黙のルールなどがわからず、そのシニカルな態度に誰もがイラっとしてしまいます。

やることなすこと失敗におわり、ついにはカースト底辺にまで落ちるがそれでも彼はアグレッシブに青春を謳歌しようとします。

そんな西野のせいで今まで均衡を保ってたクラスの人たちも影響され……

と西野だけではなくクラスメイトたちの斜め上過ぎる変貌も描かれ、一風変わった学園青春?ストーリーが味わえます。

いや一風変わりすぎです、普通のラノベなら主人公が見直されてなんだかんだでモテる、とかですが、これはそんなことはなく

西野に対抗したらおかしな方向に才能が開花され、そっち方面に別ストーリーが展開されたり、

将来を語り始めた西野に影響され、クラスのお調子者が勉強を始めたら均衡が崩れクラスカースト上位の人たちの入れ替わりが(西野と関係ないところで)起きたりと、

独特すぎるストーリー展開が非常に面白いです。

キャラクターはクラスメイトだけではなく、裏社会の人たちもいて、彼らは西野の実力を知っているので

西野のシニカルな態度にも文句なく付き合ってくれてギャップがとても笑えます。

ヤクザの親分や会社の偉い人がペコペコしてるのに、クラスメイトはそれを何かの間違いだと見下す、まあ西野は鋼鉄のメンタルなので気にしないでしょうが、この先ちゃんとクラスメイトに認められるのでしょうか、それともずっとギャグ時空でいくのでしょうか、

今後のオチにも注目が止まりません。

キャラクターについて

西野 主人公 最強の超能力者にしてスクールカースト最下位のフツメン。敵には容赦ないがクラスメイト思いの青春大好き野郎。非常にかっこいい言動、能力、行動だがそれらがフツメンだというだけで帳消しにされるかわいそうな存在(シニカルな態度にも問題あり)非常に達観しているが結局行動が男子高校生そのもの。ボロアパートにペットのハムスターと一緒に住んでいる。

ローズ ヒロイン 面識はないが西野の同業者で能力者。西野に協力してもらおうと接触するために転校してくる。西野に惚れ込みあの手この手で依存させようと目論むキ〇ガイストーカー。外面は金髪ロリで非常に可愛らしく、転校して間もないのに全クラスカーストのトップに君臨する。ローズが一般人なら速攻で西野は落とされてるが同業者なので警戒され上手くいっていない。なんというか作中一のヤバい人。

竹内君 クラスメイト 西野のクラスのカーストトップに位置するイケメン。イケメンだがゲスい。ローズを狙っていて、ローズと仲がいい(ように見える)西野に対抗しようとしてちょっかいを出したら……西野の知らないところでいろいろ散々な目にあうがなんとか乗り越えていく。外面はいいので、西野は竹内君はいいやつだと思いこんで無自覚に巻き込んでいく巻き込まれキャラ。

志水 委員長 正義感の強いクラス委員長、クラスカースト上位。東京外国語大学を目指している(重要)。西野に気に入られ何かと巻き込まれ変な方向へ覚醒していくキャラ、作中どんどん別方向に進んでいくので先が気になりすぎる一人。

松浦さん クラスメイト カースト中位で地味で控えめでそこそこ可愛かったので西野が最初に目を付けた人。しかしその実態は……

太郎助 ロック野郎 護衛仕事で助けたミュージシャン。西野の生き様がロックだと作中唯一西野のシニカルをかっこいいと思ってる真のヒロイン。西野とコンビで繰り広げるツッコミ不在のハードボイルド空間が面白すぎる人。

マーキス バーのマスター 西野の仕事を仲介する裏世界の住人。まさにハードボイルドといった感じのスキンヘッドにグラサンの黒人。西野のハードボイルドごっこに付き合ってくれるいい人。

一巻時点ではこれくらい、だんだん個性的なクラスメイトが登場したりローズのライバルが出たりする、ただまともな人はいない、ほんといない。

 西野 ~学内カースト最下位にして異能世界最強の少年~

そんなわけで紹介してきましたいろいろぶっ飛んでる「西野 ~学内カースト最下位にして異能世界最強の少年~」。

現在8巻まで絶賛発売中。


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コミカライズ版も発売されてます。


西野 ~学内カースト最下位にして異能世界最強の少年~ 1 (MFコミックス アライブシリーズ)

ただまあコミカライズ版は正直おすすめしません、原作読んでないと理解不明な点が多いので、原作読んでからイメージ補完するといいです。

原作はどれも評価が高いですね。

一巻はまだブーストの掛かりが弱い感じですが、最後のオチが爆笑必至なのでそこで一気に引き込まれます。

そこからはもう怒涛の展開なので最新刊まで一気読み確定です。

現代モノなので普段異世界転しか読んでない人も新鮮な気持ちで読めるのでおすすめです。

最近更新止まってるので心配ですが、書籍版だけでいいので最後まで読ませて欲しいですね。

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