こんにちは。
先日小説投稿サイト「カクヨム」をなんとなく見てみたんですよ、たまに見るんですけどねカクヨム、お気に入りもいくつかあります。
で、そこでトップにでかでかと新刊5月15日発売、とあるじゃないですか、ちょうどその日は5月15日。
見てみたら中華後宮もの、これ大好物です。
これもなにかの縁かと思い面白かったらレビュー書いてみようと読んでみました。
はい面白かったのでレビューします。
今回紹介するのは
花街の用心棒
というわけで始めます。
内容紹介
「花街の用心棒」は「深海 亮」氏著の中華後宮恋愛ファンタジー
イラストは「きのこ姫」氏。
まずは公式あらすじ
雪花(せつか)は養父の借金完済を目標に、花街で腕利きの女用心棒として働いていた。しかし、雪花に興味をもった美貌の若き大貴族・紅志輝(こう しき)によって日常は激変する。
彼は借金を勝手に清算し、代わりとして後宮である仕事をしろと命じたのだ。それは最上級の身分である貴妃の護衛。貴妃は暗殺者に狙われているというが……。
自分のような民をとりたてる志輝を怪しみながらも守銭奴っぷりを発揮して契約した雪花。
だが、この後宮での護衛と暗殺騒ぎが、雪花が捨て去った宮廷にまつわる過去にまで繋がり――?
ふーむなるほどなるほど、とりあえず前置きとして
中華風ファンタジー、後宮に渦巻く陰謀、主人公は花街の居候、不本意ながら後宮勤め
とこの辺は中華後宮もののお約束というか結構テンプレートでわりとありふれた設定、僕もいくつか読みました。
まあ転生して冒険者になるのと同じようなものなので○○のパクリとは言うまい、
どうしても最初に読んだものに引きずられるので、意識的に切り離して楽しみましょう。
というわけで注目なのはイラストでも目を引きます、主人公が用心棒だということ。
当然のように主人公は超強いので、後宮で矢を射られたり、刺客に襲われたりして、
それを主人公がバッタバッタと倒していくんだろうなー、と思いきや
そんなシーンはあんまりなかった。
もともと後宮ものって毒殺とか、妃同士のドロドロとかそういうのがメイン、
物理的に襲われることは滅多にない(たまにある)程度なので
強い女の子が敵を倒すような話を期待しているとちょっと肩透かしをくらうので注意。
え、じゃあどんな話なのよというと、後宮ミステリーです。
後宮にはびこる悪意を未然に防いだり、いやがらせしてきた犯人を見つけたり、
主人公自身の因縁を解決したりします。
あんま主人公強いの意味ないなと思いましたが
これあれです、少女漫画で超強い設定の主人公が結局あんまり戦わずに恋愛してハッピーエンドなのと一緒ですね。
つまりこれどちらかというと女子向けでした、まあ男でも全然楽しく読めます、
恋愛要素はありますが成分は低め、主人公超絶鈍感なのでわりとさっぱりしていてフラグをバキバキと折っていきます。
事件の謎解きにしっかり主軸をおいているので
男読者が思いがちな「おいこんな時にイチャイチャしてない早く犯人捕まえろよ」というストレスがないのが〇です。
それと物語の引き延ばし要素がないのがすごく快適。
例えば、
犯人を追い詰めたのに邪魔が入る、とか、主人公と因縁がある相手になのにニアミスばかりですれ違ってばかり、とかそういう「あーもう!」という場面があまりなくサクサク話が進むので気持ちがいいです。
でも質が低いというわけでもなく、しっかりと話はねられています。
文章もレベルが高く漢字ばっかり出がちな中華ファンタジーでありながらとても読みやすいです。
後宮はドロドロですが話はコミカルで主人公はメンタル強いのでとても気軽に読めます、
しかしそれだけではなく、終盤には感動的な場面もあり、思わず涙が出てしまいました。
この一巻で第一部として後宮での話は全て完結していますので、
中華後宮ものが初めてという人にもとてもおすすめです。
キャラクターについて
多くのキャラクターが出てきますが、
一人一人に物語があり、性格も個性的で全員に感情移入出来ます。
●主人公、雪花 養父の借金で相当苦労しており、現実主義。凄惨な過去を持ち達観していて恋愛に興味なしのフラグクラッシャー、養父のせいでイケメンが苦手
●雇い主、志輝 絶世の美人、男。腹黒で笑顔が怖い。宰相的な立ち位置。自分になびかない主人公がお気に入り
●護衛対象、蘭瑛 はっちゃけた性格の皇帝の妃一人。勘も頭もいい。やたらと毒に詳しい。
●養父、風牙 絶世の美人その2、変態。その顔で浮世を流しまくり、しょっちゅう刺されたり、賭博で借金作ったりしてる残念な人。雪花の師匠で武術の腕はもの凄い
そのほか敵にも見方にもほぼすべてのキャラに様々なドラマがあり、
初めはよくある舞台設定だなーと思ってましたが、キャラクターはオリジナリティ満載なのでとでも新鮮に物語を楽しめます。
花街の用心棒
花街の用心棒は3年前に完結しており、1年くらい前に出版社の目に止まりこの度書籍化されました。
スッキリ完結してますが続けようと思えばいくらでも続けられる終わり方で、
まだ未解決の伏線もある、いわゆる第一部完というやつです、
その状態で3年たったわけで、つまり続きはこの本の売り上げ次第というわけですね。
というわけで購入はこちら↓
この一冊で連載分は全て入っているので完結まで読めます。
続きはWebでというわけではないので、どうせなら完全版の
イラスト付き&加筆ありの書籍バージョンの方を読みたいですね。
中華後宮ファンタジーの入門として気軽に読めるので、是非読んでみてください。
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