こんにちは。
なんだかんだで閲覧数が多く、このサイトのメインコンテンツとなりつつあるこのなろう系レビュー、
今後も僕的におすすめな小説を多少ネタバレのありで勝手に紹介していきたいと思います。
今日ご紹介するのはこちら

転生少女の履歴書 1 (ヒーロー文庫)
女の子主人公の転生成り上がりものは至高。
内容紹介
「転生少女の履歴書」は「唐澤 和希」氏著の異世界成り上がりファンタジー、
イラストは「桑島 黎音」氏
まずは公式あらすじ
転生したけど貧農だった!?貴族、山賊、魔法使いのために前世の知識を生かして大活躍!!
勉強、スポーツ、芸術、あらゆる分野で優秀な成績を修めていた少女は、親の愛に恵まれずに不慮の事故でその人生を終える。
転生先は、ろくに畑の知識もなく、魚を捕まえる術さえしらない農民達が暮らす開拓村。
その村の6人兄弟の末娘としてリョウと名づけられる。
あまりにも極貧な生活のため、身売りされないため、飢え死にしないため、
また、前世では得られなかった親の愛を求めて、前世の知識を生かして、テンション高めで村の改革に奔走する。
リョウの活躍で、とりあえず飢え死には免れたと思ったところに、魔法使い達がやってくる。
リョウは魔法を目の当たりにし、ここが魔法という超自然現象が存在する異世界だと知る。
魔法使いが絶対の支配階級である異世界で、リョウは前世の知識や技術を役立たせながら、
農家、貴族の小間使い、山賊……居場所を転々としていく―――。
万能のハイスペック少女が極貧の開拓民から色々な人を救いながらどんどん身分や世界を広げていく、いわゆる「成り上がりもの」です。
僕はこの成り上がりもの、下剋上ものがことのほか大好きなので多々読んでますが、
多くの作品が魔法やスキルでチートもった主人公が魔物を倒したり悪徳貴族潰したり位の高いヒロインと婚約したりして下剋上していくのですが、
この作品の場合魔法は存在すれど使えません、スキルやステータス無しの知識チート頼り。
女主人公ながらチートヒーローに頼ることなく自分の力と知恵で商売をしたり農法を伝授して飢えを解消したり道具を作って生活を豊かにしたりしていきます。
ただし普通に成り上がるのではなく、ターニングポイントで事件が発生し、強制的に立場を変えさせらます、
売られて貴族の使用人になったり、さらわれて山賊になったり、預けられて貴族の養女になったり……
主人公はその驚異的なポジティブさと適応力をもってその立場を全力で生き、
周りの人のためになろうとその知識を惜しげもなく使います。
知識チートもいいですがなによりいいのがそのカリスマ性。
まさに王になるにふさわしいようなその行動力と知識、人を使うのが上手く、いく先々で信仰を集め、慕うものがどんどん増えていきます、王というより教s…ゲフンゲフン。
とこんな感じで頑張って成り上がっていくんですが、
世界観や伏線も独特で興味深い。
この世界は魔法使い=貴族で魔法使い以外は人間にあらず、みたいな世界です。
ここまではわりとありがちですが、この作品の場合それが深刻。
貴族に生まれても魔法が使えなかったら貴族じゃなくなるシビアな世界、
というのもこの世界の魔法は万能であり、魔法ですべてが回っています。
植物を育てるのも魔法、飲み水の確保も魔法、鍛冶や衣服、家、魔物対策、何もかもを領主が魔法で行い、平民はそれをただ受けて刈り入れや販売をする存在。
しかも魔法で作られた物は魔法で簡単に分解することが可能で、武器ももちろん即分解されるわけでクーデターなどありえない、
平民は麦の作り方なんてしらないし家も服も貴族様頼り、徹底的に知識を奪われ
まさに飼われているかのような生き方をしていました。
こりゃさぞ傲慢なお貴族様が出てくるんやろなぁと思いきや、
出てくる貴族はみんないい人、領地を良くしようと良く働く良い貴族(でも王様は狂人)。
なんて優しい世界。
ただし、物語は日本の価値観が染みついた主人公のリョウ視点でずっと語られる。
リョウは初め、あまりにも無知な人々のために知識を与え発展させていきますが、
次第に貴族と関わる様になり、魔法使いと非魔法使いの意識に自分では想像できない隔絶した差があることに気づきます、
魔法使いも非魔法使いもみんな人間で仲良くできると思っていたがじつは……とか、
これがまた不気味でデストピア感があります。
でもリョウはひたすらポジティブで、脳内は軽快なギャグよりの語り口調なので、
たまに見え隠れするくらいでそこまでシリアスというわけではないです。
魔法使いが減り、魔法使いが全てをこなすのはもう無理、平民にも開拓地を与えるから自分でなんとかしてみて、いう始まりですが
リョウの行いにより平民も認められるようになり、だんだん国の意識が変わっていき、やがて国政にもかかわっていくことになり、
いったいリョウ様はどこまでいってしまうのか、と内政パートもどんどん発展していく様子がみれて非常にワクワクします。
そして魔法も謎が多く、ただあるものとしてスルーすることもなくその謎に迫っていきます、また転生にも重大な秘密が隠されているようで……!?
と伏線が沢山、ちなみに今のところラブコメ要素はほぼ皆無、
ヒーロー的な存在はいるにはいるが、主人公が精神的にも肉体的にも強すぎて発展する気配が無しです、
まあ僕的にははラブコメ要素いらないんで結構なことですが、見え隠れはしてるのでどうなるかは気になるところです。
文体は基本主人公の脳内劇場なので感情移入しやすく、今どきの子らしく非常に砕けた表現をして、独特の造語が頻発して面白い、テンポも非常によく、本来なら長い会話を主人公がささっと適当に要約して進んでいきます。
わりとうじうじ系や過度に謙遜する傾向の強い女主人公ですが
リョウはそういうところがなく、かっこよくて気持ちのいい主人公です。
とにかく主人公が魅力的すぎる作品、ここまで素晴らしい主人公なかなかいないですよ。
いったい最終的にリョウはどんな存在になっているのか、
僕的には女王エンド希望。
日本人的な価値観持ち込んで貴族廃止して民主主義にする作品はあれどうかと思う。
キャラクターについて

リョウ 主人公、ハイスペックな元女子高生。両親の愛を得るためにあらゆることで優秀な成績を収めたがついに叶う事なく死んで転生した。そのため初期は愛を得ようと必死に使えるやつアピールしたりした。
基本的にポジティブで脳内は騒がしい、独特の感性を持っていてよく変なあだ名を付けて(脳内で)呼んでいる。好きな言葉は「さすリョウ」流石リョウの略。
アラン 貴族の坊ちゃんで魔法使い、幼いころは傲慢だったが使用人のリョウに挑み、負けて子分になった、おそらくヒーロー的な存在と思われるがリョウにとってはいつまでも子分で過保護ストーキングボーイと思われてるヘタレ、他の人の前では超優秀な魔法使い。
カイン アランの兄だが非魔法使い、穏やかな存在で困っているといつも華麗にフォローに入ることからリョウからフォロリストの称号で呼ばれる(脳内で)。そのベストフォロリストぶりはすさまじく、その信頼は子分のアランを軽く上回る。貴族の非魔法使い故の苦悩がいろいろある模様。
コウ 重要キャラだが流石にネタバレが過ぎる、ただ言えるのはオネエだということ。
タゴサク 最初の村にいた村長の息子でリョウの天敵。一歳のころからリョウが自重なく知識チートしてたせいでリョウを神の使いだとして崇め奉りリョウの教えをまわりに広めていた。教義自体はとても良いことを言ってるのでやめろとも言えずにいたらどんどん規模が拡大して……なんだかんだでとても頼りになる人。
シャルロット 平民出身の魔法使いでリョウの初めての友達。癒し枠だが近くでそのカリスマに当てられすぎたためか内心、リョウが女王になってそのメイドとして傅きたいと思ってる。
カテリーナ 悪役令嬢のような登場だったが今はただのツンデレでよい友人
ヘンリー 玉座に一番近い王子で最強の魔法使い。だがそのあまりのゲスい思考にゲスリーと呼ばれている。外面は良い人だが内面はとんでもないゲス、ゲスリー呼びが定着しすぎて名前が出てこなかった。
だがそのゲスさにも悲しい理由があり、僕的にはアランよりゲスリーとくっついてほしいところ。少数派だが
ほかのキャラクターもみんな良いキャラばかり、ステージごとに関わるキャラも増えていくが基本的に良い人、敵は魔物や貧乏、自然災害とかで派手なバトルがあるわけではない(たまにある)。
転生少女の履歴書
そんなわけで紹介してきました転生少女の履歴書、
いつもよりネタバレ成分多めでお届けしました。
成り上がりものの説明でネタバレなしって無理ですな、
序盤の最底辺の地位の時だけ紹介してもなんも面白くもないし。
転生少女の履歴書は現在10巻まで発売中です。

9巻の表紙はこれ

転生少女の履歴書 9 (ヒーロー文庫)
少女漫画だったら表紙ウェディングドレスは最終回ですが
これは戦略的婚約段階なので安心(?)です、まだ続きます。
ただ結構早いペースで刊行してましたが最近はなろうの方で連載が滞り気味で追いついてしまいました。
まあそれならそれで完全版の書籍版メインに移行しやすいんですが
エタるのだけは勘弁してくれ!ってことで買って応援しましょう。
ということで、女主人公、成り上がり、内政、コメディ、などが刺さる人は是非読んでみてください、僕はこれマジでドストライクです。
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